<82(最終回)>地域医療科学教育研究センター(医学部−16)
医療の質向上へ総合研究 〜新たに「社会生活支援」〜
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竹生政資
教授 |
松尾清美
助教授 |
堀川悦夫
教授 |
齊場三十四
教授 |
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酒見隆信
教授 |
佐藤英俊
助教授 |
富永広貴
助教授 |
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| 福祉用具の開発に取り組む松尾助教授(左)=佐賀市鍋島の佐賀大鍋島キャンパス |
研究、教育、診療を柱とする医学部で、地域医療をキーワードに新たな役割を担うのが地域医療科学教育研究センター。診療情報の共有化を進める電子カルテの研究、高齢者や障害者の社会生活支援のあり方の検討、医療従事者の研修プログラム開発などに取り組む。
福祉健康科学部門では、高齢者や障害者の社会生活支援をテーマに、医療から福祉まで総合的に研究。国内で初めて「社会生活行動支援」という概念を打ち出した。
齊場三十四教授(62)は、バリアフリーをテーマに社会政策論から福祉用具開発まで幅広く研究する。「福祉は、介護軸だけでなく自立軸がなければ高齢者や障害者に共生活感は生まれない」と、障害者や高齢者が自分で食事ができる食器や長時間座ることができるいすの開発を地場産業と連携しながら進める。
認知神経心理学が専門の堀川悦夫教授(51)は認知症ケアの問題に取り組む。認知症診断では記憶力を測る検査が採用されているが、充実したケアには早期発見と的確な程度把握が重要。米ミシガン大と連携し、患者に多くの課題を課すマルチタスク法の研究を進める。
車いす利用者である松尾清美・助教授(51)は、医用エンジニアとして福祉用具の開発、障害に合った住宅改装などに取り組む。「四肢まひでも社会参加できる環境の整備が重要」と狭いスペースで回転できる車いすなどを開発。特許は14に上る。今後は風呂やトイレなど生活動作をデータ分析し、用具開発や環境整備に役立てる。
医療連携システム部門では、電子カルテ活用や物流、治験システムの共有化などの可能性を模索する。電子カルテ活用では、年度内にも地域の病院と実証事業に着手。情報共有化でスムーズな連携を図る。
竹生政資教授(48)は、情報科学が専門。脳波や心電図、眼球運動など生体データの解析を進め、診断とデータとの相関関係を検証。精神疾患の患者と健常者のデータを基に解析する。
単純な確定的規則に従いながら、不規則で予測不能な運動を見せるシステムであるカオス。富永広貴・助教授は、生体情報からカオス性のものを見いだし、診断への応用の可能性を探る。産婦人科医と連携し、胎児心拍を対象に研究を進める。
終末期医療で注目を集める緩和ケア。地域のニーズは高く、付属病院には本年度から専門診療科が新設された。佐藤英俊・助教授(52)は診療だけでなく、地域の医療機関との連携にも意欲を見せる。各医師へアドバイスを行うほか、在宅ケアを行う開業医のネットワーク化も検討する。
医療の質向上に人材育成システムの開発は欠かせない。地域包括医療教育部門では、学生教育だけでなく、地域に技能訓練室の設備を開放するなど地域の医療従事者の底上げにも取り組む。
酒見隆信教授(57)は教育カリキュラムの開発に研究の重点を置く。佐賀大では患者本位の医療を掲げるだけに、コミュニケーション能力育成を重視。継続的な現場体験など実践的なカリキュラム開発に取り組む。(梶原) |
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