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佐賀市長選回顧−徹底した批判戦術奏功、秀島氏が激戦制す−
2005年10月25日(火)19面

 元佐賀市水道局長の秀島敏行氏(63)と前佐賀市長の木下敏之氏(45)の一騎打ちとなった新佐賀市長選。新市を2分した激戦は、木下氏が2期6年で取り組んだスピーディーな行政改革やトップダウンの手法に対する評価を問う展開となり、「批判」の声をてこに票を掘り起こした秀島氏が凱歌(がいか)を挙げた。
 
 合併前の市長と元市幹部という対決。木下氏の初当選時に推薦候補が大差で破れた自民と、市長と対立してきた社民が秀島氏を推薦する異例の構図となった。民主は木下氏を推薦、公明、共産は自主投票で双方に流れたとみられる。

 告示直後の世論調査で自民支持層は割れていたが、秀島陣営は終盤の総決起大会で、安倍晋三党幹事長代理の来援や古川康知事の激励メッセージを受けて引き締め、衆院選の勢いを再点火させた。

 陣営は木下氏の政治手法を問うことから始め、徹底した批判戦術を実行。後援会事務所に「悪口しか言わないのか」という苦情の電話が相次ぎ、トーンダウンさせた時期もあったが、最後まで批判の手を緩めず、「反木下」で得票につなげた。

 対する木下陣営は、批判が新市全域に浸透していることに危機感を募らせながらも、政策論争を仕掛けるほかに具体的な打開策を打てなかった。「政策を訴えていくしかなく、市民の良識を信じるしかない」。木下氏はミニ集会でそう語るしかなかった。

 大きな支援組織がなく、浮動票頼みの木下氏にとって投票率が70%に届かず、先の衆院選ほど伸びなかったことも響いたとみられる。

 木下氏はポスターに「45歳」「改革をとめるな」と入れ込み、行革路線に批判的な労組の支援を受けている秀島氏との違いを強調。秀島陣営は事務所に小泉首相のポスターを張り巡らし、年齢差も「小泉首相と同じ」とハンディをカバーする作戦を展開した。

 市民は「対話型」の行政運営を掲げた秀島氏を選択したが、新市は910億円の借金を抱える厳しい財政状況で、行革は最重要課題となる。相手陣営に問われた改革実行力。行政の継続性に重きをおく秀島市長が具体的な計画を示して断行できるか。最初の試金石となる。(辻村)
 

 
新市長が初登庁

初登庁し就任式で職員に語りかける秀島敏行市長=佐賀市役所
 5市町村合併に伴う佐賀市長選で激戦を制して初当選した秀島敏行市長(63)が24日、佐賀市役所に初登庁した。新議会との初会合や庁議など初日から慌ただしく公務をこなした。
 
 午前9時半に職員の出迎えを受け、市選管から当選証書を受け取った。秀島市長は職員約200人を前に「最大のサービス機関と認めてもらうよう一丸となって頑張ってほしい」と語りかけた。

 行政改革については「財政確立のためには避けて通れない。市民や職員にもつらい思いをさせることになるが、心通じ合う改革に最大限努力したい」と協力を求めた。

 新議員38人との初会合では「詳しい情報をできるだけ早く出していく。協力し合って山積する難問を解決していきたい」と述べた。(辻村)